歴史的な局面において欠かせない存在
世界のモビリティ、電力供給、接続性、持続可能性のあり方を新たに革新する当社の製品は、歴史上の重要な局面で活躍してきました。
絶え間ないイノベーションの文化は、当社の歴史に深く浸透しています。さらに、当社が事業を展開する地域社会と自然界を大切にすることに関しても、私達は同じくらい強い熱意を抱いています。よりレジリエントな世界を構築するというレガシーを、私達は誇りを持って引き継ぎます。
歴史的な局面において欠かせない存在
世界のモビリティ、電力供給、接続性、持続可能性のあり方を新たに革新する当社の製品は、歴史上の重要な局面で活躍してきました。
リチウムという遺産
世界で最も豊かな鉱脈を持つスポジュメン鉱床の頂上にあるアルベマールのノースカロライナ州キングスマウンテンの事業所は、1950年代に米国原子力委員会がリチウム6の供給を請け負った際に重要な役割を果たしました。キングスマウンテン鉱床で採れたリチウムは、より強力なアルミニウムや鋼の製造、航空機エンジンの潤滑剤、観測気球用の水素ガスの製造などに何十年にもわたり使用されていました。
「ヒューストン、解決策はある。」
1970年、科学および化学プロセスに関しアルベマールが持していたノウハウは、現在も語り継がれるアポロ13号のミッションで予想外の重要な役割を果たしました。NASAの3度目のミッションとして宇宙飛行士を月面に着陸させる予定でしたが、酸素タンクの1つが爆発し、さらに他のシステムが損傷したため、予定されていた着陸が行われる前にミッションは中止せざるをえませんでした。酸素タンクが空になったためコマンドモジュールは使用できなくなり、4人の乗組員は月着陸船に移されました。月着陸船は最大2人の乗組員を収容できるように設計されていましたが、その緊急対応に必要とされた時間よりもはるかに短い時間しか利用できませんでした。
水酸化リチウムの取り扱いにおいて豊富な経験を持つアルベマールの科学者達は、化学プロセスの知識を生かして、空気を浄化するCO2スクラビングソリューションを開発しました。これにより、地球から20万マイルも離れた場所であるにもかかわらず宇宙飛行士達に数日間分の酸素が供給され、複雑な帰還計画は最終的に成功を収めることができたのです。
今日、素材と化学に関するアルベマールの専門知識は、コロナ禍において広く使用されてきたポータブル医療グレードの酸素システムから、呼吸のできない環境でも人命を維持するのに十分な酸素を供給する緊急脱出呼吸装置 (EEBD) まで、命を救う呼吸に関する技術の発展に役立っています。
アポロ13号の月着陸船に搭載されたと水酸化リチウム容器とジャック・スワイガートの写真。
世界的なパンデミックへの対応
新型コロナウイルスが世界的に流行したコロナ禍では、携帯用酸素の製造と安全な使用、そして救命用の人工呼吸器や呼吸装置の急増するニーズへの対応において、アルベマールは重要かつ必要不可欠な役割を果たしてきました。当社が備えていたプロセス化学のノウハウのおかげで、製造施設が消毒剤の生産に対応できるよう迅速に転換することができました。ドイツのランゲルスハイム施設では数千ガロンの消毒剤を生産した一方で、アルベマールの臭化水素酸は人命救助用の個人用保護具の生産にも引き続き役立ちました。
「化学製品の製造における当社の専門知識を国民の健康のために活用できることを誇りに思います。」
パートナーシップの歴史
数多くの重要なバリューチェーンに密接に統合されたプレーヤーであるアルベマールは、先駆的企業とのパートナーシップを築くことが人々と地球に貢献する最善の方法であると考えます。
ジョイントベンチャー
合併事業は、当社の歴史における成長とイノベーションの両方を後押ししてきただけでなく、今後に向けた進歩においても重要な役割を果たしています。
パートナーシップ
志を同じくする科学者、学界、地元の専門家、顧客との協力体制を築くことは、私達の「DNA」に刻まれたやり方です。このアプローチに則り、あらゆるステークホルダーのことを念頭に置きながら、これまでに様々な問題をよりスマートかつ迅速に解決してきました。
商業パートナー
アルベマールがこれまでに提携してきた幅広い種類の企業には、同社の取り組む全事業に関わる多数の顧客が含まれます。アルベマールは、これらの提携を通じて研究開発における共通目標と各社独自のビジネス戦略を推進してきました。最近の例としては、 Sandia Labs,、Caterpillar、Ford、BMW などが挙げられます。
学術パートナー
アルベマールは長年にわたり、共同研究と労働力開発にグローバルな学術会が関与することにより発揮される力があることを信じてきました。特殊化学製品業界で活躍する次世代の科学者、技術者、そして実行者達に、アルベマールとパートナーは共に様々なアイデアを提案し続けています。
限りある天然資源の管理
アルベマールは、安全性とサステナビリティの分野を常に牽引してきました。製造過程のための詳細な安全プログラム、および地域社会への配慮に関連する当社の施策は1900年代初頭にまで遡ります。現在当社が掲げる安全とサステナビリティの理念は、かつてないほど強固なものとなっています。これまでに継続的な投資がなされてきたこと、さらに世代を超えて人々と地球を守ることの重要性に世界市民が共感していることが、その理由として挙げられます。
創業以来の目標:モビリティ、電力供給、接続性、持続可能性の新しいあり方を追求する。アルベマールは、これまで一貫して、顧客、人々、地域社会、そして地球のために働き、生産し、貢献するためのより良い方法を模索してきました。当社の歴史をご覧ください。
1887年:バージニア州リッチモンドにてアルベマール Paper Manufacturing Companyが創立される。
1900年代:世界有数のあぶらとり紙およびクラフト紙メーカーとして、堅実な経済的成功を収める。
1930年代:国内供給を確保するため、ノースカロライナ州ロアノークラピッズに所在する米国初のクラフトパルプ工場を購入。
1950年代:袋や箱の製造会社の買収と投資を通じて統合を進め、大規模な製紙機械の近代化を実現。
1969年:アーカンソー州マグノリアで臭素事業を開始。
1976年:特殊化学製品事業に注力するため、残りの製紙会社を売却。
1994年:アルベマール社が上場企業となり、1990年代後半にアジアおよびヨーロッパ圏に事業を拡大。
1998年:Jordan Dead Sea Industries Company (JODICO) およびArab Potash Company (APC) との合弁事業で世界規模での臭素生産を実施。
2000年代:Akzo Nobel NV触媒、ChemFirst、Martinswerk GmbH、DSM Pharmaceutical Productsなどを含む戦略的買収を実施。
2008年:バージニア州リッチモンドからルイジアナ州バトンルージュに本社を移転。
2010年:ブダペストにてグローバル共有サービスセンターが開設される。
2012年:ルイジアナ州バトンルージュにプロセス開発センター (PDC) の実験施設が開設される。
2015年:リチウムと臭素の分野でも主導的地位を確保する一流の特殊化学製品会社であるRockwood Holdingsをアルベマールが買収し、本社をノースカロライナ州シャーロットに移転。
2019年:西オーストラリア州でリチウム事業を大幅に拡大。ウォジナ・ハードロックリチウム鉱山に出資し、ケメルトン・リチウム・プロジェクトを発足。
2023年:特殊化学製品とエネルギー貯蔵のグローバル事業部門に注力、触媒の公式ブランドとしてKetjenを立ち上げる。
社名の由来
「1887年2月11日金曜日の夜9時15分、J・F・チャルマーズ、G・A・カニンガム、トーマス・S・フルノイ・ジュニア、W・E・ディブレル、E・B・トーの5人のビジネスマンが、エイト・アンド・ブロード (バージニア州リッチモンド) の角にあるマーフィーズ・ホテルに集まり、製紙会社の設立を検討した。『サザン・タバコニスト』の編集者、W・E・ディブレルは、「アルベマール製紙会社」という社名を提案した。なぜ「アルベマール」なのか、明確に説明できた者は誰もいない。我々の知る限り、彼はバージニア州のアルベマール郡、ノースカロライナ州のアルベマール地区、またはかつてその名を冠したフランスのノルマンディー海岸の一部地域とも関係がないようだった。どうやら、単にその音節の響きが気に入ったらしいのだ。」
- 出典:ジョセフ・C・ロバート著『ETHYL: A History of the Corporation and the People Who Made It』バージニア大学出版局、シャーロッツビル、1983年に初版発行。